【デレマス時代劇】一ノ瀬志希「しあわせの白い粉」
↓ 1- 覧 板 20
23:名無しNIPPER[sage]
2017/08/19(土) 08:22:04.40 ID:GVuX5Nn80
番所に復帰した早苗は、阿芙蓉の件について特段の
進展がなかったことを、後ろめたい気持ちで喜んだ。
そして、ひとまず集落の件を保留にして、自らの足で情報をあつめることにした。
早苗は顔が知られているので、売人等、いわゆる“裏”の人間達に声をかけることはできない。
逃げられるのが関の山だ。
なので彼女は、専ら被害に遭った者達に話を聞くことにした。
阿芙蓉の蔓延が最も深刻だったのは、領内西部の、
比較的裕福な者が集まる長屋だった。
早苗は自腹で菓子折りなどを買いつつ、一軒一軒を丁寧にたずねた。
ここでは、阿芙蓉が「子どもを泣き止ませるための薬」として出回っており、
子どもへの被害が特に大きいとされていた。
しかし早苗は子のいる長屋の戸を叩いて、親が顔を出した時、
彼女、彼らの顔が中毒者のそれであったことに驚いた。
「ちょっと話を聞きたいんだけど…」
早苗がそう言うと相手は戸を固く閉ざして、応じようとしない。
56Res/35.48 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20