【デレマス時代劇】一ノ瀬志希「しあわせの白い粉」
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10:名無しNIPPER[sage]
2017/08/19(土) 08:09:18.03 ID:GVuX5Nn80
「どうでもいいけど、人斬り片桐って語呂がいいよねー」
自分の住処が荒らされていくのを見ながら、志希が言った。
人斬り片桐。早苗の蔑称である。
早苗はかつての与力達とくらべ、かなり強硬に藩を取り締まっている。
それに対する反発も強く、早苗はやくざ者や浪人から、
幾度となく命を狙われたことがある。
彼女は一切の容赦をせず相手を斬り殺してきた。
そうしてついたあだ名が、“人斬り片桐”。
だが当人は全く気にも留めていない。
刀に吸わせた血が平和への礎となると、信じ切っているからだ。
「早苗さん、ここに阿芙蓉はないようです」
埃と煤で面を汚した都が言った。
早苗は舌打ちをして、志希を睨む。
町一番の悪党どもですら竦み上がるような、苛烈な視線であったが、
志希は飄々とそれを受け止めた。
「そんなに見つめられると照れちゃう♪」
早苗はもう一度舌打ちをした。
そして転がっている戸の残骸を蹴飛ばした後、同心達を引き上げさせた。
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