5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/08/18(金) 16:27:05.43 ID:7tf1xLWMO
「…………」
固まって、声も出さずに動かない。けれど抱きしめる腕は解いてしまうことなくしっかりとまゆを抱えたそのまま、胸を挟んで伝わってくる鼓動の刻みはどんどんと早くして、そうしてちゃんと反応を……嬉しい、高鳴る反応を返してくれるプロデューサーさん。
それがたまらなく愛しくて、そのことにたまらなく昂ってしまう。
昂るのは自分じゃない。本当に昂らないといけないのは……昂ってほしいのは、自分のほうじゃないのだけど。
でも昂ってしまう。昂ってもらおうとして、でも自分のほうが。
「プロデューサーさん……プロデューサーさぁん……」
いつものこと。
初めてのライブを成功で終えたとき『なんでもいいから何か一つご褒美を』と言ってくれたプロデューサーさんに叶えてもらった『プロデューサーさんに甘えたい』なんてお願い。それが何度も繰り返されて、何重にも積み重なって届いたこの今。
ライブの成功や、新しいプロジェクトへの選抜や……何かの記念日の度、叶えてもらってきたこれ。叶えてもらう度、少しずつ少しずつ深くなっていったこれ。初めは頭を撫でてもらうだけだったのが、こんな……二人きりの部屋の中、お互いにたまらなく熱くなりながら抱きしめ合うようにまでなったこれ。
いつものこと。
……もう記念日も何も関係なく、人目を忍んでは毎日必ずどこかで交わすようになってしまったいつものこと。それをまた、今も。
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