「藤原肇がそれを割る日」
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84:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 00:15:49.19 ID:dZyp/T120
 どうしようもなく身勝手なのは、分かっています。

 信用を売り物にするこの業界で、依頼された仕事を放って私用を優先させたと知れ渡ったらどうなるのかも。

 でも、逸る気持ちが、どうしても抑えられません。私は――。

 私は、アイドルである以前に、藤原肇という個の人間なんです。

 選択をしろと言われれば、私は迷わずアイドルの自分を捨て、すぐにでもあれを迎えに行きます。

 納得を迫る理性と、子供じみた感情がない交ぜになり、それが溢れ出るのを堪えることができません。


「あんまりです……私は、ただ……なのに、ずっと……!」


 夕美さんの――大切な人の、今日のために、ずっと――!

「は、肇ちゃん……」



「ヤッホー☆ 呼ばれてないのにフレデリカー♪」



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