83:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 00:09:47.93 ID:dZyp/T120
私は、席を立ちました。
えっと声を漏らすスタッフさん。慌てて、夕美さんが私の肩を手で押さえます。
「私達……いいえ、私にとって、どうしても譲れないんです。今日だけは。
すみません。どうか分かってください」
スタッフさんが必死な顔で食い下がろうとしますが、どうしても話を聞く気にはなれません。
こうしている間にも、時間が――!
「い、いやいやいやマジですみませんって! 俺達、今日の企画成功させないと色んな人達に迷惑が…!」
「迷惑っ……私達への迷惑は、どうでもいいんですか!? さっき私、ちゃんと…!」
「落ち着いて肇ちゃん! 待ってあげようよ。いくらなんでも、さすがにそういうのまずいよ!」
「だって……だって……!」
頭の中がぐちゃぐちゃで、何が何だか分かりません。
子供の頃の、大声で泣く私――おじいちゃんの手を何度も払った記憶が、今の私に重なります。
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