109:名無しNIPPER[saga]
2017/08/18(金) 01:32:04.67 ID:dZyp/T120
結局、私はそれを、割ることが出来ませんでした。
どこまでも独りよがりで、我が儘を通したそれは、夕美さんへの誕生日プレゼントである以上に、私そのもの。
雑味ばかりの、未熟な私そのものでした。
我が身可愛さとは、このことでしょう。
夕美さんにそれをプレゼントすると、彼女はとても喜んでくれました。
何だかんだで、やはり割らないことを願ってくれていたのだと思います。
その日から、ちゃんと花を生けて、玄関に飾ってくれています。
でも、もし今後、自分が作り上げていくそれを、私が――。
藤原肇がそれを割る日が、いつか来るとしても――。
今の私なら、それを素直な気持ちで肯定し、大切にすることが出来ると思います。
夕美さんがいてくれるなら、きっと――。
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