33: ◆MDLuqI.OVk[saga]
2017/08/19(土) 01:43:31.13 ID:O3KpuLqX0
用意した食べ物は全て平らげ、残すところ部屋の片付けとなった。
「プロデューサーちゃん!今日の唯、どうだった?」
「キラキラしてたよ。すごく。唯なしに、今日のライブは盛り上がらなかった」
34: ◆MDLuqI.OVk[saga]
2017/08/19(土) 01:48:52.12 ID:O3KpuLqX0
「ち、ちひろさん…」
「ひえっ」
「きちんとお片づけ、してくださいね?」
35: ◆MDLuqI.OVk[saga]
2017/08/19(土) 01:54:23.03 ID:O3KpuLqX0
『Snow Wings』を披露して数ヶ月。ついに唯のソロデビューが決まった。それに伴って、ソロ曲披露のミニライブとトークショーを開催することも。
「プロデューサーちゃん、話って何?」
「クリスマスのときに秘密にしてたことあったろ。覚えてるか?」
36: ◆MDLuqI.OVk[saga]
2017/08/19(土) 02:02:37.93 ID:O3KpuLqX0
「プロデューサーちゃん、これが唯の歌…?」
「ああ。『radio happy』、すごく唯らしい曲だろ?」
37: ◆MDLuqI.OVk[saga]
2017/08/19(土) 02:20:40.52 ID:O3KpuLqX0
「う〜いよいよ本番かぁ」
「クローネのメンバーも宣伝してくれたから、観客は予想以上に集まってるよ」
「よかったー!唯、トークショーとかは大丈夫そうなんだけど、歌とかダンスは緊張しちゃうなぁ」
38: ◆MDLuqI.OVk[saga]
2017/08/19(土) 02:55:39.63 ID:O3KpuLqX0
唯に手を引かれ、俺は外にでた。
ライブはショッピングモールの近くの敷地を借りて行う。その方が通りすがりの客の注目も集められるだろうという狙いからだ。同じことを考える者も多くおり、他のプロダクションのアイドルも時たまライブをするらしい。そのため敷地を借りたいとお願いしたら、二つ返事で了承をくれただけでなく、楽屋まで準備してくれた、
既にミニステージと音響周りは用意されており、あとは唯が上るだけの状態だった。
本番開始まであと2時間あるというのに、早く来たファンがぞろりと並んでいた。やはりクローネによる宣伝効果は絶大なのだろう。それに加え、冬のライブで唯のことを知ったファンも多くいるのだろう。あの時のライブで販売したバッジをつけているファンも見かけた。
39: ◆MDLuqI.OVk[saga]
2017/08/19(土) 02:56:43.29 ID:O3KpuLqX0
「よしっ行ってくるよ」
「いってらっしゃい。…頑張れよ」
40: ◆MDLuqI.OVk[saga]
2017/08/19(土) 03:02:02.50 ID:O3KpuLqX0
『響きだした最高のミュージック ナナナナナ 聞かせてシンガロングナウ♪』
1番が終わりに近づいてきた時、赤ん坊の声が響き渡った。たまたまライブに通りすがったのであろう女性が必死に赤ちゃんをあやしていた。赤ちゃんの泣き声はあたりに響き、歌に集中できない客がそちらのほうに向き始めた。
「まずいな…」
41: ◆MDLuqI.OVk[saga]
2017/08/19(土) 03:08:09.72 ID:O3KpuLqX0
赤ちゃんを笑顔にするというパフォーマンスを見事に成功した唯は観客の方へも自由に動き始めた。もちろん予定にない動きだ。観客は至近距離で唯の歌声と笑顔に触れ、尋常じゃない盛り上がりを見せていた。
『大好きな君に届けたいよ』
最後に唯はステージへと戻り、振り付けもばっちり決めた。観客席は拍手と歓声、涙を流す者もいた。
42: ◆MDLuqI.OVk[saga]
2017/08/19(土) 03:17:40.71 ID:O3KpuLqX0
ライブは大盛り上がりだった。グッズやCDは飛ぶように売れ、予想以上の売り上げだった。
「唯。今日は最高だったよ、お疲れさま」
「もーーー唯も超楽しかった!」
43: ◆MDLuqI.OVk[saga]
2017/08/19(土) 03:39:29.13 ID:O3KpuLqX0
「今日盛り上がれたのも、養成所に入ってデビューできたのも、クローネに入ってユニット組んで歌ったりできたのも、ぜーーんぶプロデューサーちゃんのおかげ!唯ね、プロデューサーちゃんに出会えて良かったっ!」
「それは俺だけの力じゃないよ。唯が諦めないでずっと努力してきたからだ」
「ううん。レッスンとかメンドいときあったけど、プロデューサーちゃんが頑張れーっていってくれたから唯がんばれたんだ。唯ね。ずーっとプロデューサーちゃんに言いたかったんだー。だから、これからは唯がプロデューサーちゃんに貰った分をたくさん返すから!」
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