女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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名無しNIPPER
2017/08/29(火) 21:28:42.48 ID:KsUO0z3M0
並びたてられていく言葉の数々。
それは、やや過剰な称賛とも言えた。僕が精密な機械を目指す、ミスをしないことを目指す、完璧な人を目指している、というのはあながち間違いではない。
人心掌握。処世術。人間関係。
ボスの言っていることに、いくつかの心当たりはある。僕がどういう目的で、人との付き合いを円滑にしたのかとか、そういうことは、あまり関係がないのだろう。結果はすでに出ている。それが自分に嘘をついた仮初の姿だったとしても、三か月の期間、演じ続けられたのなら、これからもできる。『能力がある』そういうことだ。
「照にお前の観察を頼んだ。お前がどういう人間か、どういう考えをするのか、どういうことができるのか、そういうことを。照はな、心理学を極めた男なんだ。あいつは感情なんかじゃなく、経験と理論で人を理解できる。知ってるか? 人間の表情っていうのは面白いもので、ある物事に対する反応が約0、1秒の間、顔にそのままでるらしい。どんなに取り繕っても無駄で、嘘はつけない。時間の短さから、その分野を極めたわずかな人間しかできないが……照にはそれができる」
ボスはじっと僕の顔を見る。どういう感情が浮かんでいるのか、さっき言った方法で確かめるみたいに。
……照は、だからこんなにも僕のことを見通し、理解していたのだろう。嘘を見通すのではないかというあの感覚。それは間違いではなかった。真実だった。ただの勘と感覚で、それを感じ取っていた。
「十分に時間をかけた。はりぼてかどうかは、関係ないぐらいには。おまえは適役だった。ならばもう、教育は早いほうがいい。理由は、こんなところだ」
ボスの言葉には、違和感がなかった。筋道は通っている。自分を過大評価するわけではないが、確かに、僕みたいな人間はあまりいない。この思考と考えは、ただ重くて苦しい。おまけに救いようがない。
自分の行動を考え、周りの人間を見てきたからわかる。
簡単に人を否定する奴。
いわなくてもいい悪口で、争いを始める奴。
自分の行動がどれだけ人を傷つけるのか、考えた事のない奴。
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