女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/08/29(火) 21:24:07.28 ID:KsUO0z3M0
「照さん、それは違いますよ。隣の芝が青く見えるように、それでそんなことを思っているだけです」
わかりきったことだ。
「僕は少したりとも結果をだしていない。だから、あなたのほうが素晴らしい人なんですよ」
あまりにも単純明快な、それだけのことだった。
究極的結果主義。
どういうところで今までの行動を正当化するのか。いままでの悪事があったとしても、それが自分を成長させ、その悪事以上に人を救い、自分が幸せなら、なにも咎められる要素はないはずだ。そうじゃない、という人もいる。けれど、他人が他人をどこまで詳しく見る? 見ることができるのは切り抜かれた、現在という枠組みだけだ。さらけ出さなければ他人は他人のことなど気にしない。
照は、最初はそれを聞いて、呆れてさえいた。けれどそれは長くは続かなかった。
「……本気でそう思っているのかい?」
「目に見えるものが現実、、です」
そういうものだ。
「過程を汲み取ろうとする人だって」と照は言った。
だが次には表情を歪ませていた。失言ではないのに、間違えてしまったかのような表情。
なんとなく、照はもう気づいているはずだ。彼がこういったことを考えたことがないはずがない。
きっとそれは、絶対に正しくて、綺麗な考えだ。
けれども、
「ほんとうはそうあるべきなんです。でもそれはどちらかと言えば明らかに少ない。――だって現実はそういうものだから」
人は何かに捌け口をもとめると、照は言った。
僕も照も、自分にそれを向けた。
誰がどう認めても、『自分だけは』認めることができない。よりよい結果を求めるから、満足はできない。人の欲望にはきりがないように、理想には果てがない。
人の称賛はひどく耳障りだ。嬉しくないわけじゃない。でもどこか納得できない自分がいる。そういった思いが大きくなるのは、決まって物事がうまくいっていない時だ。彼女を救える見通しはたった。
けれど、されど、その確率はいまだに――とてもとても、現実的じゃない。
「完璧な人になりたかったんです」と僕は言う。
照は――
◇
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