女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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59:名無しNIPPER[sage]
2017/08/17(木) 22:45:22.44 ID:5vAlKS7V0
犠牲者は、死んでもなお、苦しんでいる可能性がある。作者は仮説、と定めているがどこか確信があるような文体だった。
 ……これが本当なら、あまりにも惨い。これを知っていて、自分の大切な人が犠牲になるという人がいたら……間違いなく、奪還を目論もうとするだろう。全員が政府に抗おうとするほど怖いもの知らずではないかもしれない。だが、間違いなく大切な人を救おうとする人の増加は避けられないはずだ。

 そういうわけで、情報の統制は仕方ないことなのだ。例え死んでもなお、犠牲者が苦しむとしても、それでも犠牲は必要だ。例え、あまりにも過酷で、不平等な重荷が個人に課されるとしても……何人もの命が失われるよりもは、ましだ。
 法を学んだ身としては、痛いほどこれが最適解だとわかる。

 綺麗事は現実では通用しない。本当はこんなことにはならないほうがいい。それでも。

 僕はかぶりを振る。せめて犠牲者を減らさなければならない。理想通りには確かにならないかもしれない。それでも、理想にできる限り近づこうとするべきだ。本の作者も、暗にそう言っている。
 僕は本をめくる。今は魂、という言葉の意味を探していた。どれもはっきりとした答えは書かれておらず、唯一まともな情報は犠牲の装置の製作者がそういった説明を残した、ということぐらいだった。他のものは
『どうにも存在する可能性は高いらしい』のようなことしか書かれていない。

 魂。カルト的な馬鹿げた妄想に近いものだ。死んだらそこで終わりだと認めたくない奴が願うようにして信じている、幽霊のような存在。
 だが、魔法というのも奇跡の力で、本来ありえないものと、昔はされていたらしい。ならばあるいは……。

「裕樹さん!」

 鼓膜を揺らす大声。思わず頭をおさえる。



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