女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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142:名無しNIPPER[saga]
2017/09/11(月) 22:57:47.76 ID:L2VEMbba0
 ――こみ上げる感情がある。

 強引に周囲の草をちぎって投げた。それは風にのって漂い……ある地点で消えた。とうとう、狂ってしまったのだろうか? 発狂は当人自覚なしに行われる。なにかを根拠に正気の証明をしようとも、その『なにか』が正しい根拠がない。
 草が消えたあたりで手をかざす。そこで違和感を感じた。辺りを見渡せば踏みつけられた草があった。ここに僕以外の人間はいないだろう。そう考えると、やはり。
 だがこれも根拠がない。自分が正しい、証拠がない。
 息が苦しい。胸を手で押さえる。

 ――ああ、

 体中の感覚がない。

 ――なぜこんなに暗いんだろう。

 僅かに頭を持ち上げれば地面があった。口の中には砂の味。

 ――限界だ。

 頭の中で誰かが呼んでいる。なにかを言っている。それは『信じてる』と言っていた。

 ――ごめん。

 なにを信じているんだろう?
 ゆっくりと失われている感覚。最後の最後で、僕は何かを願う。
 溢れそうなぐらい感情が爆発する。

 その想いは――。

 ◇



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