女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/09/08(金) 20:20:48.77 ID:c9qxGCK40
◆
「雪様、こちらへ」
感情を感じさせない表情をした女がそう言った。
「わかってますよ」
ここではすべてが手に入る。望めば現実的に可能な限り、叶う。ここはそのための場所だった。
叶わないものも多数ある。それは本当に大切なものだ。親しい人間とか、家族とか、愛する人とか。そして、自分の命とか。
私は、長く生きることができない。この都市の犠牲に選ばれたのだ。逃げることはできない。だって、誰かが犠牲に、ならないと、何十万もの人が死ぬ。
機械のようだ、といえば共感されそうな女が私に服を着せていく。女の子なら一度は来てみたいと思うような、綺麗な服だった。彼女はメイドとして淡々とその職務を全うしていた。
私は、最初にここにつれてこられたとき、次のようなことを言われた。
「あなたは死にます」
「ここで手に入るものは何でも手に入ります」
「傷つけるという方法以外なら、人を使役することができます。風俗的な意味でも可能です。また、あなた自身の体なら傷つけても構いません。危険な薬物に酔うことだってできます」
ここは、まるで現実ではない場所のようだった。自分の命を犠牲にする代わりに、可能な限りを実現できる最期のための場所。
「お困りでしたら今までの具体的な例をあげましょうか?」
メイドの女は返事も待たずに言葉を続ける。
「最初に多いのは一般的な娯楽です。やはり、気が引けるのでしょうね。次に豪勢な食事、異性の肉体、薬物の使用。あと、可能な限りの都市の真実や、犠牲の装置について聞かれることも多かったですね。特殊なものですと死の一歩手前の経験を望んだ者もいました。予行演習だと」
メイドの女はさまざまことを語った。恋の演習で肉体関係を望まないものもありました。あと女性の方ですと姫となることを望んだ方が多かったです。薬物に早々と染まるものもいましたが、絶対に嫌だという方もいました。ただ平凡な生活を過ごして終わる方もいました。
そして、と彼女は言う。こうしてあなたは様々なサービスを受けることができます。また、実際に私たちが行ってきたものは完成度の高いサービスとして行うこともできます。新しいことをしてもいいのですが、それはあなたに任せます。
「ねえ……えっと、あなた?」
「メイドとお呼びください」
「……じゃあ、メイドさん。なんでこんな無駄なことをするの? どうせ死ぬ人のために過剰な資源を使う必要はないと思うのだけど……」
こういうことを最初に考えてしまうのは、彼に影響されたせいだろうか。
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