女「犠牲の都市で人が死ぬ」 男「……仕方のないこと、なんだと思う」
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107:名無しNIPPER
2017/08/31(木) 21:58:27.84 ID:iVDTxJdE0

 出ていけ、と暗に言われる。
 それにお辞儀して、僕は退室した。
 照はどこにもいない。照もまた、ボスに心酔しているというよりもは自分の道に従って生きてきたものだと思うから、なにか聞いてくると思ったのだが……おそらく、その必要はないのだろう。そんなことはボスから直接聞けばいい。照は、きっとボスにとって最も信用できる者のひとりだ。

 機能性ばかり求められた簡素な廊下を歩く。
 そして僕はこれからのことに思いはせる。
 彼女を救うための道は、なにもかも塞がれてしまった。それで無理やりひとつだけ、道を切り開いた。その裏の支配者に接触して、直談判する。直談判? 救ってくれと、頼むしかないのだ。なにか交渉の手段を携えて。

 ……あまりにも狭い道のうえ、ゴールしたところで、そこも行き止まりである可能性が高い。でも、これしか道はなかった。今できる手段として、もう本当にこれぐらいしか残っていないのだ。
 険しすぎて、先のことを考えるだけで不安で胸が苦しくなる。脳が暗いもやで締め付けられるみたいに。
 それでも、やるしかない。
 それしか、ないのだ。

 ◇



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