57: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/09/03(日) 07:02:53.15 ID:TCQYYDI0o
花丸「…………っ」
鞠莉「話は以上みたいね」
マリーがそう言って曜と繋がっていた通話を終了する。
善子「マリーごめんね、突然嫌な役回りさせて」
鞠莉「別にいいわよ。あの頑固な姉妹には苦労させられたんだから、これくらいのお茶目は許されるでしょ。これは曜も共犯だし。それに、ちゃんと伝わったんだから、ね」
そう言って、マリーは私の隣に目を配らせた。
花丸「……ルビィ……っ……ちゃん……っ……。……ルビィ……っ……ちゃん……っ……。」
──ルビィの名前を呼びながら、大粒の涙を流す花丸へ。
鞠莉「わたしは帰りの手配があるから……。花丸のこと、お願いねヨハネ」
善子「了解。」
花丸「……っ……ルビィ……ちゃん……っ……」
これはなんの涙なんだろう。
自分が無責任に赦してしまったことに対する贖いだろうか。
親友を信頼できなかったことを恥じ入ってなのか。
弱さと向き合って、戦おうとする親友の覚悟への情動なのか。
それでも自分を信じて待っていて欲しいと言った、彼女からの変わらぬ信頼への感謝なのか。
──そんなの自明じゃない。
私は泣きじゃくる花丸を抱き寄せた。
花丸「ぅ……ぅう……っ……ぁあああっ……ルビィ…っ…ちゃん……っ……」
善子「……全部に決まってるじゃないの……っ……」
私はぽそりと一人そう呟いた。……もう私まで泣けてきちゃったじゃない。ばか。
* * *
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