56: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/09/03(日) 07:01:08.84 ID:TCQYYDI0o
ダイヤ『ルビィ……泳ぎの練習はもうしないの?』
ルビィ『ぁ、ぃゃ……ぇっと……』
ダイヤ『……そう、もうしないのね。ならいいの。』
ルビィ『ぁ……ぅん……』
言われた事は、それだけだった。
* * *
ルビィ「結果だけ見れば、無理をして欲しくなかったのは、花丸ちゃんだけじゃなかったみたい」
曜「…………」
ルビィ「……でも、今は違うから」
曜「どう、違うの?」
ルビィ「……お姉ちゃんがお姉ちゃんの幸せを自分で選べるようにするために」
ルビィは決めたんだ。
ルビィ「黒澤のお家は"黒澤ルビィ"が跡を継ぐんだって。」
曜「そっか……っ……」
ルビィ「え?な、なんで曜ちゃんが泣いちゃうの……!?」
曜ちゃんはいつのまにか目元を押さえていて、ルビィはびっくりしてしまう。
曜「あーごめん……。そんなこと考えてたんだって思ったら、ちょっと感極まっちゃって。……じゃあ、さっき言ってたけじめっていうのは……」
ルビィ「……お姉ちゃんの頑張れを裏切っちゃったことへのけじめ。それと」
曜「それと……?」
ルビィ「あのとき、花丸ちゃんの優しさに甘えちゃった、弱いルビィとバイバイする覚悟を決めるため。」
曜「……そっか。ちゃんと、バイバイできそう?」
ルビィ「うん。……最初は花丸ちゃんに甘えて、投げ出しちゃいそうに思うこともあったけど。……ルビィがあのとき花丸ちゃんに許してもらった、救ってもらった分を、一人でちゃんと出来たら、もうバイバイできると思うから。」
曜「そっか」
ルビィ「そしたら、ルビィがしなくちゃいけないことと、ルビィが花丸ちゃんに頼っていいこと、そういうことをちゃんと選べるようになると思うから。それまで、花丸ちゃんには寂しい想いさせちゃってるのかもしれないけど……」
曜「大丈夫だよ」
そういって、曜さんはまたルビィの頭の上にぽんと手をおいて、ルビィの頭を撫でながら言いました。
曜「ルビィちゃんの気持ちは伝わってるから……」
そう言いました。
* * *
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