54: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/09/03(日) 06:57:10.19 ID:TCQYYDI0o
ルビィ「ホントだ……ルビィ泳げたんだ」
曜「うん! ルビィちゃん、ホントに頑張ったね!」
ルビィ「えへへ……次は補助無しだね!」
曜「その前にビート板練習だけどね」
ルビィ「……あ、そっか」
曜「でも、すごいよ。」
ちょっとシュンとなったルビィの頭を曜さんが撫でてくれる。
曜「ホントに最初は水に顔付けるのも怖がってた、あのルビィちゃんが、短期間でここまで泳げるようになったんだから」
ルビィ「えへへ、ありがと、曜ちゃん。でも、これからだから」
曜「ルビィちゃん」
ルビィ「なぁに?」
曜「……私に水泳のコーチをお願いするときに言ってた目標、覚えてる?」
ルビィ「25m泳げるようになりたい」
曜「うん。……もし、よかったら、どうして25mだったのか聞いてもいい?」
ルビィ「あ、えっとね……これが、ルビィなりのけじめだと思ったから……なんだ」
曜「……けじめ?」
ルビィは軽く頷いて、話し始めました。
昔話を──
* * *
あのね、ルビィどうしても、小学校のときから泳ぐのはへたっぴで、授業でプールがある日はよく朝からお腹が痛くなっちゃってお休みするってことも多かったんだぁ。
でも、中学生にあがってのことなんだけど、ある日お姉ちゃんにこう言われたの──
ダイヤ『ルビィ……貴方も黒澤家の娘なのよ? 元とは言え、網元の娘が泳げないだなんて、皆に笑われてしまいますわ。』
ルビィ『そ、そんなこと……言われても……』
ダイヤ『いきなり背泳ぎやバタフライをしろとは言いません。せめてバタ足で50m……いえ、25mくらいは泳げるようになってくださいませ。』
ルビィ『ぅ……ぅん……』
ダイヤ『苦手かもしれないけれど……ルビィ、少しだけでいいから、頑張ってみて?』
ルビィ『ぅ……うん……がんばってみる。』
正直、どうしようって思ったけど……。
でも、お姉ちゃんに言われたから、最初はちょっと頑張ろうとしたんだ。
まずは顔を水につけることから──怖い。
そして、水の中で目を開ける──怖い。
そのまま力を抜くと浮くって先生に言われた──力ってどうやって抜くの?力抜いたら沈んじゃうんじゃ。
それでもバタ足で進むって言うから。水の中でジタバタして、もがいてみる。と、全然浮かない身体はどんどん沈んでいく、周りは全部水だ息が出来ない。──怖い、……怖い……!! ……怖い怖い!!
気付いたら、ルビィは溺れかけてて、先生に引っ張りあげて貰って。
それでも……それでもルビィなりに頑張ったんだよ? だから、少しは前に進めたかなって思って、どれくらい進んだのか聞いてみたんだ。
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