ダイヤ「貴女と選んだ」千歌「道の先で」
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53: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/09/03(日) 06:55:06.47 ID:TCQYYDI0o

花丸「うん」

善子「ええ、さっき言ったとおりよ」

曜「……でも、花丸ちゃんは意味がわかっても、どこか納得出来ないでいるんだよね」

花丸「う、うん……」

曜「……たぶんだけど、ルビィちゃんがどれだけの覚悟を持ってるのか、体感すればいいんだと思う」

善子「覚悟を体感する……?」

花丸「どういうことずら……?」

曜「それなら、私にいい方法があるから、任せて!」


曜はそう言って胸を張った。





    *    *    *





パシャパシャと水の音だけが響く。

お稽古が終わって、昨日と同じように、曜ちゃんにお願いして、ルビィは水泳の秘密特訓中です。

昨日と同じように曜ちゃんに手を引っ張ってもらいながら、必死にバタ足をしています。


曜「ルビィちゃんいいよー。その調子。」

ルビィ「は、はい!」


昨日は途中で沈んでしまったけど、少しずつ水にも慣れてきた、落ち着いて……落ち着いてやればいいんだ。

こんなにいっぱい練習したんだもん。できるもん。

必死に水面に足をばたつかせる。バタバタ。バタバタ。

息継ぎのために水面から出した視界からは曜ちゃんの身体だけが目に入る。

そして、耳にはルビィの足が叩く水の音だけが聞こえる。

バタバタ、バタバタ。

沈まない。前に進める。出来る、きっと出来る。

そう思っていたら。


曜「ルビィちゃん」

ルビィ「は、はい!?」


曜ちゃんが突然私の名前を短く呼んできて、少しビクリとする。

あ、あ……やっぱ、ルビィ、どこかうまくできてなかったかな?フォームとか崩れてたかな??


曜「ルビィちゃん。これで25m、泳げたよ」

ルビィ「……え……ホント?」

曜「ほら、後ろ見て」


曜ちゃんに促されて、後ろを振り返ると、50mプールの半分まで──確かにルビィは辿り着いていた。




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