45: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/08/26(土) 19:05:05.18 ID:JgS4ljCho
千歌「……そんなのどこにも公平性なんてないよ。きっといつものダイヤさんだったらそう言うよ。」
ダイヤ「いつものわたくしって何よ……」
その言葉にわたくしは唇を噛み締める。
ダイヤ「……わたくしの背負っているものの重さ、わかって……お願いだから。」
千歌「……わからないよ。わからないから──いや、わかったとしても、チカが決めちゃいけないと思う。」
ダイヤ「…………」
千歌「ごめんね。……でも、本当にそう思うんだ。だから私は答えない。」
ダイヤ「……うそつき」
そういいながら、ぎゅっと……千歌さんを抱きしめる。
千歌「……ばれた?」
ダイヤ「……うそつき」
千歌「……ごめんね。」
ダイヤ「……嘘を吐いてくれて、ありがとう。」
千歌「……うん。」
ダイヤ「嫌なこと、言わせようとして……ごめんなさい。」
千歌「……言わなくて、ごめんね。」
ダイヤ「……いいの。嬉しい……。」
千歌「……そう言ってくれて、チカも嬉しいよ。」
ダイヤ「千歌さん……好きよ。愛してる。」
千歌「うん……チカもダイヤさんのこと、愛してるよ。」
温かい湯船の中、口付けを交わす。
ダイヤ「……ちゃんと、選ぶから。もう少し待っていて」
千歌「……うん。いつまでも待つから。」
──先ほどの問い、貴女だったら、優しいいつもの貴女だったら……『ルビィちゃんを選んであげて』……そう言ったでしょう。
有難う。言わないでくれて。悲しい選択をしないでくれて。
わたくしは胸の内でそう呟いた。
* * *
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