39: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/08/26(土) 10:02:46.57 ID:JgS4ljCho
梨子「それはわかってるけど、そう思うところがあるかもって話。今日もダイヤさん泊まっていくんでしょ?」
千歌「うん。……今、家に帰っても何をすればいいのかわからないって言ってたから」
梨子「そっか……」
千歌「……ねぇ、梨子ちゃん」
梨子「なに?」
千歌「私……ダイヤさんから何か奪っちゃったのかな」
梨子「……」
梨子ちゃんは少し考える素振りを見せてから。
梨子「……そうだね。」
肯定した。
千歌「……」
梨子「でもね。」
千歌「?」
梨子「ダイヤさんはそれと同じくらい、大切なものを千歌ちゃんから貰ったんだと思う」
千歌「梨子ちゃん……」
梨子「私はそういう相手がいたことがないから、断定は出来ないけど……。誰かと一緒になるってそういうことなんじゃないかな。……相手からいろんな時間を貰う代わりに、たくさんの物をあげるの。きっとそれって素敵なことだと思うよ。だから、自信持って?」
千歌「……うん、ありがと。えへへ、ダメだね。チカ、梨子ちゃんの前だとちょっと弱音吐いちゃう。」
梨子「それでいいと思うよ。人間、強いだけでなんか居られないもの。……それでも今はダイヤさんのために強くありたいんでしょ? なら、弱い自分は私の前で出し切って、その分ダイヤさんのこと安心させてあげて?」
千歌「……うん、そうする!」
真っ直ぐな気持ちでチカたちの恋を応援してくれる梨子ちゃん。
梨子ちゃんが友達で本当によかった。
千歌「梨子ちゃん、ありがと」
梨子「ふふ、どういたしまして。それじゃ、おやすみなさい。千歌ちゃん。」
千歌「うん、おやすみ。」
家に入っていく梨子ちゃんを見送ってから、何気なく空を仰ぐ。
澄み切った冬空を満月が照らしている。
千歌「さて、戻ろっと」
私は踵を返して、家の方へ戻ると──
ダイヤ「あら、おかえりなさい」
千歌「あ、あれ? ダイヤさん?」
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