38: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/08/26(土) 10:02:19.62 ID:JgS4ljCho
鞠莉「関係者が皆、身の振り方をしっかり定めるしかないのよね。」
そう言う。
曜「身の振り方……」
鞠莉「ダイヤが家を継ぐのか、ルビィが家を継ぐのか、そして千歌はどうするのか。」
曜「え、千歌ちゃんも?」
鞠莉「これからもあの関係を続けるならね。周りにそれを言うのかは別問題として」
曜「でも、それなら答えは決まってない?」
千歌ちゃんもダイヤさんもあんなに仲の良いカップルだ。二人がくっつく以外に選択肢があるのだろうか?
鞠莉「ダイヤは負い目を感じてるのよ。」
曜「負い目……?」
鞠莉「……自分が果たすべき役割を妹に押し付けてしまうことに」
曜「……」
鞠莉「自分が千歌を選べば、ルビィに責任を押し付ける。ルビィを選べば、千歌が……そしてダイヤ自身も悲しい想いをすることになる。」
曜「そんな……」
鞠莉「恋心は罪深いわね。……千歌とダイヤがお互いを好きにならなければ、こうはならなかったのに。でも、好きの気持ちを止めることなんて出来ないもの。」
「不憫よね。」いつか善子ちゃんが言っていた台詞を吐く鞠莉ちゃん。
私はそれ以上何を言えばいいのかが、わからなかった。
ただ、車の中から鞠莉ちゃんと一緒に外を流れる街頭を眺めているのだった。
* * *
すっかり日も暮れて、果南ちゃんも帰ったあと、梨子ちゃんもそろそろ帰るということだったので
梨子「すぐそこなんだし、わざわざ見送りしなくても大丈夫だったのに……」
桜内家の玄関先で梨子ちゃんにそういわれる。
千歌「だって、ダイヤさんが送ってけ言うんだもん。……これ帰りはチカ一人になっちゃうじゃん。」
梨子「あはは……。気遣ってくれたのかもよ?」
千歌「ん?どゆこと?」
梨子「ダイヤさん、きっと自分が千歌ちゃんの重荷になってないかって考えてるんじゃないかな。だから、自分以外の人と話す時間を設けてあげたいんじゃないかって。」
千歌「あー……別に重荷とかは思ってないんだけどな」
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