ダイヤ「貴女と選んだ」千歌「道の先で」
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37: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/08/26(土) 10:00:13.10 ID:JgS4ljCho


どうにも、要領を得ない。


鞠莉「ん、なんというか……」


さっきから、鞠莉ちゃんの歯切れが悪い。


鞠莉「……一部でルビィがダイヤから、当主の座を奪おうとしてるんじゃないかって噂になってるのよ」

曜「……は?」


私はまたポカンとする。


曜「ど、どうしてそうなるの……?」

鞠莉「わたしもこの立場から、話だけ聞いてると飛躍した噂だなとは思うけど……。昔から勤勉で通っていた姉ダイヤと、余り家業や政に関わってこなかった妹ルビィの立場が急に逆転したのよ? 傍から見たら、そう思うのも無理もないかなって」

曜「でも、それこそちゃんと説明すればいいんじゃ……」

鞠莉「黒澤家長女は高海の娘と恋人同士になったから、跡継ぎにはなりませんってこと?」

曜「いや、そっちじゃなくて、ルビィちゃんの方」

鞠莉「ああ、なるほど。……わたしもそう思うんだけど」

曜「……けど?」

鞠莉「ダイヤが今まで結果を残しすぎてきたと言うか……周りの期待にうまく応えられ過ぎていたというか……。ダイヤに期待してた人たちが、不審がってるのよ」


だんだんと話が読めてきた。


曜「じゃあ、さっき行ってた面子って言うのは……」

鞠莉「つまりはそういうこと。小原の車でルビィの送り迎えなんかしてたら、それこそルビィが小原家と結託してダイヤを追い出そうと画策してるんじゃないかって思われるかもってこと。考えすぎかもしれないけど……」


考えすぎだよ。そう言おうと思った私の脳裏に、内浦の夏祭りで涼しい顔をして、座っていた在りし日のダイヤさんの姿が想起される。

皆が求めた、黒澤家の長女の姿。これから、皆を率いることになる時期当主の姿。


曜「……」

鞠莉「だから、プールでも人払いした。幸い黒澤家の人間が水泳の練習をするのに使いたいから、少しだけ貸切にして欲しいって話したら、快く貸してくれたわ。それがダイヤなのかルビィなのか、詮索してこなかったのは先方の気遣いかしらね。」

曜「あ、そうやって貸し切ってたんだ……。私、てっきりもっと黒いやり方かと……」


私の言葉に鞠莉ちゃんがこっちを向いて、軽くジト目になった。


鞠莉「曜はわたしのことなんだと思ってるのよ……」

曜「あはは……ごめん」


しかし、そうなるとこの問題はどうすれば解決するのだろうか。

私の胸中に気付いたのか



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