ダイヤ「貴女と選んだ」千歌「道の先で」
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36: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/08/26(土) 09:59:47.00 ID:JgS4ljCho

片付けも終わった頃には、もう外は暗くなっていて、もちろん帰りのバスもないので、鞠莉ちゃんが手配してくれた車に乗せて貰っている。


曜「ねぇ、鞠莉ちゃん」

鞠莉「ん?なにかしら」

曜「聞きたいことはいろいろあるんだけど……」


窓の外の流れる景色をぼんやり眺めている鞠莉ちゃん。

現在車内には二人っきり。

ルビィちゃんはこの場にはいなかった。


曜「なんで、ルビィちゃんは違う車で帰ったの?」

鞠莉「あーうーん……面子の問題?」

曜「面子……? さっき言ってたルビィちゃんの前では話せないことと関係してるの?」

鞠莉「別に話せないってわけじゃないけど……まあ、そうね」

曜「さっき状況がどうたら言ってたけど……」

鞠莉「んー……黒澤家の跡取り問題でちょっと噂が立っててね」

曜「噂?」

鞠莉「……ダイヤを次期当主から降ろして、ルビィが黒澤家を継ぐって噂」


鞠莉ちゃんは視線を外したまま、そういう。

私は首をかしげた。


曜「……? ……でも、そうなるんでしょ?」

鞠莉「それはわたしにはわからないけど……ダイヤが黒澤家を継ぐのをやめました。はい、じゃあルビィが次期当主です。なんて簡単に行かないじゃない」

曜「そう……なのかな?」

鞠莉「わたしも果南に聞くまではピンとこなかったんだけど……。……昔からここ内浦では黒澤家の長女として、ダイヤがいろんなところに挨拶に行ったりしていたわけじゃない?」

曜「ああ、確かに……。それが突然、変わっちゃったら何かあったのかなって思われるか」

鞠莉「誰もがダイヤが跡を継ぐんだと思ってたけど、最近になって状況が変わったから噂になってるのよ」

曜「その状況って言うのがよくわからないんだけど……」

鞠莉「……最近、ダイヤってお稽古事──Lessonをほとんどしてないのよ」

曜「え?」


そう言われて、私は眉根を顰めた。あのダイヤさんがサボり……?

その様子を見てか


鞠莉「ああ、ううん。サボりとかじゃなくてね。」


鞠莉ちゃんがすかさず訂正をしてくる。


鞠莉「ダイヤのLessonの時間にルビィが頼み込んでLessonをさせてもらってるみたいなのよ」

曜「んっと……それって何か問題なの?」



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