3: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2017/08/10(木) 00:02:44.21 ID:c5e7bYk30
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開店まではまだ少し時間があるにも関わらず、店先には既にプランターたちが並んでいた。
「そんなに早く準備してどうするの」と呆れている母をよそに、父はせっせと店内の掃除をしている。
私が来たことに一番に気が付いたのはハナコだった。
ハナコは私が手に持っているリードを見て、千切れんばかりに尻尾を振って父の足元をぐるぐる回っている。
「おはよ。今日は少し早いね」
「ああ、おはよう。凛はこれから散歩?」
「うん。行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
ハナコの首輪にリードをつけて、こんこんとスニーカーのつま先を鳴らす。
そこに母が、つつつと寄ってきて「明日から凛が高校生だから落ち着かないのよ」と耳打ちした。
なるほど。
「また何か凛にいらないことを言っただろ」
「さぁ、どうかしら。ふふふ」
そんな文字どおりの夫婦漫才を背中で聞きながら、ハナコの散歩へと踏み出した。
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