渋谷凛「輝くということ」
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2: ◆Rin.ODRFYM[saga]
2017/08/10(木) 00:02:11.24 ID:c5e7bYk30



ハナコと一緒に自室を出て、一階に降りると母が洗い物をしていた。

「あら、早いのね。春休みもあと少しなんだからゆっくり寝てればいいのに」

「そうなんだけど、ゆっくり寝てられない理由があってさ」

「お店のシャッターで起こしちゃったかしら」

「んー、まぁそれもあるけど、一番は……ね?」

一心不乱にドッグフードをがつがつと食べているハナコを視線で示すと、母は「世界一優秀な目覚まし時計ね」と笑った。

「トースト、焼いといてあげるから着替えてらっしゃい」

「わかった」と軽く返事をして、自室へ戻り着替えを済ませて、再び一階へ。

着ていたパジャマを洗濯機へと放り込んで、ダイニングテーブルに着くころには母とハナコはもうどこかへ行ってしまっていた。

その代わりにテーブルの上には、ほかほかのトーストとスクランブルエッグが並んでいた。

母はきっと店の方へ父を手伝いに行ったのだろう。

そして、ハナコはそれについて行ったのだろう。

私の家は小さな花屋をやっている。

ハナコの名前もそこから来ていて、命名は父だ。

花屋の子だからハナコだなんて安直だなぁ、と子供ながらに思ったことを今でも覚えている。

そんないつかのことを思い出しながら朝ご飯を食べた。

両手を合わせて「ごちそうさまでした」をして、食べ終えた食器を洗う。

洗い終わったそれらを水切りラックへと並べた。

そうして、靴棚にかかっているハナコのリードを手に父と母が開店の準備をしているであろう店へと向かった。



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