175:名無しNIPPER
2017/08/09(水) 22:33:58.07 ID:hojLDG6p0
五月雨はいつも通りの口調で私に説明してくれたが、さっきの事がトラウマなのか、彼女の視線は涼風の方に向いていた。
そしてその視線は、何を考えているのか分からない複雑な視線であった。
「……ああ、あれが軽巡夕張か。なかなか手ごわい相手だな。……で、五月雨。もしさっきの事で不安なら、この試験は見なくても大丈夫だよ」
私がそう言うと、即座に五月雨は首を横に振った。
「私は大丈夫です! 向こうだって、私が着替えたから気づかないでしょうし。それに、北上さんと谷風ちゃんの事を応援したいです! その為にここまで来たんですから!」
「そうだな。じゃあ一緒に応援しよう」
それから間もなくして、試験が始まるのか、四隻は所定の位置についた。
西側に北上と谷風が、東側に涼風と夕張が対峙する形だ。
海上のスピーカーからは、試験のルールや注意事項について、淡々と流れ始めた。
「〜〜〜それでは最後に、本試験の対戦相手について紹介致します。
本試験について、東軍の昇進試験者は宿毛泊地の夕張曹長、支援者は土佐沖ノ島泊地の涼風少尉。
西軍の昇進試験者は五神島泊地の北上曹長、支援者は宇和島基地の谷風少尉となっております。
なお、旗艦は昇進試験者が務めるものとします」
214Res/213.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20