包みに籠めた気持ち
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8: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/08/06(日) 23:48:31.67 ID:ao4zzOCX0
 彼は待てないといったように急いで包みをほどく。
 器の蓋をかぱりと開けて、彼が嬉しそうな声を上げた。

 それはそうだ。だって彼の好きなおかずを、沢山つめたから。

 お肉多めの野菜炒め、ちょっと辛めに味付けしたきんぴらごぼう、冷めても美味しいように昨日から仕込んだ煮物、そしてママ直伝の、ふわふわの卵焼き。
 きちんと味見もしたし、口に合わない筈はない、と思いたい。

 彼に喜んでもらえることばかり考えていた。この数日はそればかりだった。
 とても充実していた。慣れないことだらけで困ったこともあったけど、そんなのは些細なことだった。



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