大石泉は天才が嫌いだった
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5: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:08:46.50 ID:W2SDnvMcO
「…晶葉」

泉が声をかけると、晶葉と呼ばれた少女はそちらに振り向き、いつもの調子で「やぁ」と挨拶を交わした。

「ノックが聞こえて誰かと思えば泉か。どうした、またプロデューサーからの呼び出しか?」

「聞こえていたのなら返事くらいして。前も言ったよね?」

タメ口、呼び捨て。
このプロダクションではアイドル間での年功序列の感覚は薄く、晶葉のように誰にでもタメ口を使う者も少なくはなかった。

だがそれでも気になるのは、晶葉のことが嫌いだからか。
それとも、タメ口が気になるから晶葉を嫌いになったのか。

どちらでもいい、と心の中で吐き捨て、泉はプロデューサーが呼んでいるから来て欲しい。と簡単に伝えた。

「分かった、すぐ行こう」

傍若無人な彼女だが、プロデューサーから言われたことには存外素直だった。
拾われた恩、といったところだろうか。



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