13: ◆30lx83ehPU[saga]
2017/08/05(土) 22:13:43.15 ID:W2SDnvMcO
エレベーターを使うと晶葉のところに行かなければならない気がして、この2週間で泉はこれが苦手になった。
いつの間にか、事務所から家に帰る時は階段を使うようになっていた。
研究室に着いた泉はいつも通り、返事が返って来ないと分かっていてもその扉をノックした。答えはやはり沈黙。
今日だけは何故かその事に苛ついて、すぐさま扉を少しだけ乱暴に開いた。
「泉か?」
「……そうだけど」
部屋の主は、いつも通り扉に背を向けて部屋の真ん中で何かを弄っている。
こちらには目もくれない。
「焦っていたようだが、何か急ぎの用事か?」
「…急ぎなんかじゃないけど、これ」
「これって?」
晶葉は、背を向けたまま聞く。
「……今度のドリフェスの資料、見れば分かるでしょ」
「そうか、その辺に適当に置いといてくれ」
晶葉は、やはり目もくれずそう答えた。
泉は、我慢の限界を迎えた。
49Res/35.06 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20