8: ◆Xz5sQ/W/66[saga]
2017/08/05(土) 04:56:34.99 ID:DkEnKQtk0
「……はぁ。こんなに泳いだのって久しぶり」
休憩用のパラソルの下。ビーチテーブルに頬杖をつき、琴葉は満足そうに呟いた。
その向かいにはニコニコ笑顔の美也が座り、近くで遊ぶ環の様子を眺めている。
普段の喧騒を忘れられる心穏やかなひと時に、琴葉は(予定外のことだったとはいえ)
この場所に来るきっかけを与えてくれたプロデューサーに心の中で感謝した。
「今度は劇場の皆さんとも、一緒に遊びに来たいですね〜」
美也の言葉に、琴葉が「そうね」と素直に頷く。
こんなに楽しい経験を、みんなと共有できたらなんと素晴らしいことだろう!
とはいえ、その為にはスケジュールの調整を始めとした、
多くの困難を乗り越える必要があるのだが。
そんなことを琴葉が考えていると、美也が「あっ」と小さく声を上げた。
その声に誘われるように琴葉が視線を移してみると、
自分たちのいるパラソルから少し離れた場所に見覚えのある少女の姿。
そしてまた、少女の方も琴葉の姿を確認すると、
まるで飼い主を見つけた犬のように勢いで二人の下へと駆けて来たのだ。
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