ある門番たちの日常のようです
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426: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/21(土) 14:41:03.36 ID:u+oWGrCOO
その間にも、Гангутの狂態は治まらない。床に仰向けになり、激しく身体を波打たせ、喉から凄まじい叫び声を出し続ける。

「ゥア゛ア゛ッ……』

────やがて、“それ”は起きた。

( ゚∋゚)「………色が」

最初に変化を始めたのは、Гангутの髪の色だった。振り乱される銀髪が先端から4、5センチほどにかけて黒ずんでいく様を、Ostrichが見つける。

「ギッ………っ!!?』

瞬間、最後に一度びくりと震えて身体を大きく反らせたままГангутの動きが完全に止まった。

(;゚⊥゚)「………こ、これは」

髪の変色が、先端から全体へと瞬く間に拡大する。シルクの布の上にインク壺でもひっくり返したみたいに、引きずり込まれそうな程深い“黒”が白銀を塗りつぶしていく。

パキパキと乾いた音がして、彼女の皮膚が剥離していく。剥がれ落ちた皮膚は床に落ちる度黒い靄のようなものを発して消えていき、靄は彼女の周りで絡みつくように渦巻いている。

肌の色は「白」という点は変わらないが、健康的な瑞々しさは失われ体温が感じられない病的なものへと変化する。皮膚の剥離に応じてやがて服からも黒い靄が立ち上りはじめ、そこから数秒と経たずにどろりと全て溶けてしまった。

『……………アァアアア』

“彼女”の喉から迸っていた、苦悶の叫びが安らかな吐息へと変わる。服が消失し生まれたままの姿に戻った状態を恥じ入る素振りすら見せず、ゆっくりと立ち上がる。

今やそこに、艦娘【Гангут】の姿はどこにもない。

蝋人形のように血の通っていない肌。動きに合わせて揺れる、黒く暗い髪。ガラス玉のように無機質な青い眼。

『…………アァ、アァアアアアッ!!!!』

────その眼の奥に煮えたぎるのは、俺達“人間”に対する身震いするような激しい憎悪。


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