413: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/19(木) 00:04:32.13 ID:rNOvS3K00
あと、俺の方でも個人的になるべく時雨と江風は可能なら遠ざけておきたかったという事情があるのだが………まぁ、これについては伝える義理はないので黙しておく。
(,,゚Д゚)「────さて、と」
万全の調子とは言いがたい。【ワールド・ウォーZ】の原作小説とブラピ主演映画の内容並みにかけ離れている。原作云々抜きにしてもアグレッシブなだけであんな甘噛みしかしねえゾンビを俺はゾンビと認めねぇ。
だが、倦怠感と吐き気は運動に支障を来さない程度まで治まり手足の痙攣も止まった。少なくとも、通常種のイ級二匹程度なら造作なく相手取れそうだ。
なおも身体の状態を脳内で丹念に確認しながら、目の前の“扉”に視線を向ける。
(,,゚Д゚)「ファルロ、この鎮守府の地下司令室ってのは………」
( ̄⊥ ̄)「あぁ、ここだ」
俺達の目の前には、近未来的な造形をした横開き式の扉が一つある。地下へと続く道すがら眼にしたものも万全のセキュリティが為されていたが、この扉は厳重さのレベルが他に比べて明らかに違う。
やや丸みを帯びてこちらにせり出してくるような形をしたそれは分厚く、耐火性と耐衝撃性に極めて優れていると解る。左側の壁に突き出した操作用と思わしき端末機械は非常に薄く、一目見た限りはただのガラス板にしか見えない。
俺は例えば、その扉が最重要政治犯を隔離するための牢獄だと言われれば余裕で信じてしまっただろう。
( ̄⊥ ̄)「我がロシア連邦共和国の要地防衛施設だぞ?当然“頭”にあたる司令部の守りは一際固いさ」
俺が──そしておそらくはOstrichとカラマロスも──面食らっていたのを察したか、やや誇らしげな様子でファルロが言う。
( ̄⊥ ̄)「アメリカ合衆国のホワイトハウス並みにガードは堅いさ………まぁ、それも内側から崩されてしまえば何の意味も無いがね」
自嘲気味にそういって小さく笑い声を上げた後、ファルロは端末機械に歩み寄りその表面に触れる。ブンッ、と低い起動音がして表面が青く光り、幾つかのパネルが現れた。
( ̄⊥ ̄)「………幸い機械は生きているようだが、そりゃロックは掛けられているな。
解錠するのに少し時間をくれ」
(,,゚Д゚)「了解。……Верный、そっちの人員で弾残ってる奴連れて扉の正面に着け。開いたとき中に居る奴が味方とは限らん」
「……解ったよ」
おーおー、嫌われてますこと。筋金入りだねこりゃ。
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