ある門番たちの日常のようです
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410: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2017/10/17(火) 23:20:36.10 ID:J7X7k69g0
足下に溜まった寄生体の体液がパシャリと激しく跳ねる。原因は、時雨がもの凄い勢いで両足を揃えたため。

かつてこいつが見せた中で間違いなく──そもそも誰に対してもやっていた記憶が無いが──、最も美しく相手に対する敬意に満ちた海軍式敬礼がそこにはあった。

「駆逐艦時雨、猫山義古“海軍”少尉の命を受けこれより友軍の支援任務に就きます!

ほら何してんのさ江風行くよハリーハリーハリー!!!」

「ちょっ、待っ、落ち着け時雨姉貴………ぬわーーーーーーっ!!!?」

自らの妹の首根っこをふん捕まえてその場から脱兎の如く──いや、走狗の如く駆けていく2番艦。引き摺られる江風の悲鳴がエコーを残しながら遠ざかっていき、大凡三秒ほどでそれは痛々しい苦悶の声に変わった。

俺は、若干の後悔と共に無線を別のチャンネルに繋ぐ。

(,,゚Д゚)「村田、お前傷薬持ってる?」

《は?一応軍支給の応急処置薬は何種類か持っておりますが……》

(,,゚Д゚)「間もなくフリスビー追っかけてる犬がそっちに着くから、それに引き摺られてる奴に使ってやってくれ」

《はぁ………》

通信を切った後、ロマさんか先輩辺りに金を渡して江風に美味いもんでもごちそうするよう依頼しておこうと心に決める。

「………あの時雨、本当に“海軍”の出身なのかい?」

Верныйが、少し驚いた様子で眼を丸くしながら俺に尋ねてくる。こいつはR-18Gにもバッチリ対応しているようで、“元同僚”という付加価値付にも関わらず特に動揺した様子は見られない。

「あんなに破天荒な艦娘がいるとはね。“海軍”も掃きだめから少しは変わったのかな?」

(,,゚Д゚)「期待を裏切るようで悪いが今も昔も“海軍”は“海軍”だ。何も変わっちゃいない」

あの時雨とアイツが所属する鎮守府が突然変異と言うだけの話で。


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