ある門番たちの日常のようです
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32: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/10(木) 23:48:45.70 ID:Blomv06+O
「あ゛ー、機内サービスの一つも欲しいもんだ……いっつ!?」

「いいご身分じゃないか。こんな時まで居眠りだなんて」

突然臑の辺りに激痛が走り、いまいち安定しなかった意識が瞬く間に覚醒する。涙で僅かに霞む視界を衝撃が襲ってきた方に向けると、小柄な“同僚”が仏頂面で此方を見上げてきていた。

「それで、機内サービスのお味はどうだい?大層おねむだったみたいだから少し強めのを入れてみたけれど」

「……素敵なモーニングコールに感謝感激だよチクショウめ。あんまり最高のサービスだから帰りのフライトでは是非五倍返しさせていただきたいね」

「は?やれるもんならやってみな」

………どうにも世間では、美少女による「ジト目」とやらが一部の上級性癖所持者から絶大な支持を集めているらしい。そして目の前の“同僚”は若干幼さが過ぎるきらいもあるが、一般的な感性で言えば概ね美少女といっていい容姿の持ち主だ。

だが、俺の言葉を鼻先で笑いつつ向けられる湿気を多分に含んだ視線に対して、胸の内には微塵も萌えなど生まれはしない。

寧ろ、腹の底ではふつふつと怒りが“燃え”ている。

「ご機嫌斜めな理由は大方察しがつくが、俺に八つ当たりするのはやめてくれやお嬢さん」

「ご機嫌斜め?誰が?蹴るよ?」

「言いながら蹴ってくんじゃねえyいってぇええ!!!?」

まさに、「骨身に染みる」痛みに悶絶する。流石に“指導”がいいらしく、単に威力が強いだけじゃなくて実に的確に相手へダメージを与える蹴り方だ。


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