ある門番たちの日常のようです
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292: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/21(木) 20:27:04.36 ID:M1x5lU2S0
しばしその表情のまま腰に手を当てて固まっていた青葉は、彼方で炸裂した爆発音でようやく我に返る。

『ウォオオアアアアアアアアアアアッ!!!!?』

視線を其方に向ければ、丁度flagshipと思われる大型のト級が吹き飛ばされた左頭から煙を上げながら斃れていくところだった。

舎弟である──尤も青葉個人としては決して本意の関係ではない──武蔵の砲撃かとも思ったが、直ぐに違うと思い直す。彼女は衣笠と並ぶ艦隊屈指の砲撃戦の達人だ。あんなデカい的の即死させることができない部位を砲撃するなんて有り得ない。

ともあれ、自身の周りが静かなだけで戦闘はまだ続いている。青葉は杉浦や彼女の提督に繋げるべく無線のスイッチを入れた。

「【Fighter】青葉よりロマさん、聞こえ────ひゃあっ!?」

ザリザリザリと、爪で粗い岩の表面を掻き毟っているような不愉快な雑音が鼓膜を揺さぶる。提督や時雨、衣笠あたりに聞かれれば向こう三年はからかわれそうな情けない声が口から飛び出し、青葉は赤面しつつ自身が1人であることに感謝した。

「………あー、司令官?司令官?聞こえますか?ワレアオバ、ワレアオバ─────ダメみたいですね」

続けて彼女の提督にも通信を試みたが、彼女の表情が雑音の不快感に歪むだけの結果に終わる。立て続けに統合管制機、他の艦隊の提督、“海軍”航空隊といった具合に無線のチャンネルをまわしていくが、結果は変わらない。

「………最前線単身で通信手段喪失は、流石にちょっと不味いかな?」

少しだけ、青葉の表情が曇る。自身の実力を客観的かつ正確(よりやや控えめ)に見積もっても、この戦場に集う並みの深海棲艦を相手取って不覚を取る可能性は低い。ただし“低い”とはつまり“皆無”ではなく、流石に友軍の援護も全く得られず“不覚を取った”場合のサポートが受けられない現状は青葉と言えどなるべく続けたくは無かった。


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