290: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/21(木) 19:38:22.71 ID:M1x5lU2S0
少女の足が一閃される。短い呻き声を残して、ホ級flagshipの頭部がすっ飛んでいく。青い血が断裂面から噴水のように噴き出して、周囲の倒壊した家屋の瓦礫を染め上げた。
「おっ………と」
絶命し斃れ行く20メートル越えの巨躯に潰されぬよう、少女─────重巡洋艦娘・青葉は適度な高さまで地面が迫ったところで軽やかにホ級の肩から飛び降りた。トンッと響いた小さな足音は、直後にズンッという背後のバカでかい死骸の転倒音で掻き消される。濛々と舞い上がった雪煙を吸い込んでしまい、青葉は思わず数度咳き込んだ。
「ふっ────と!」
視界が奪われ続けるのを嫌い、彼女は即座に雪煙の中から転がり出て構えを取る。………が、半径百メートル以内に転がるのは瓦礫と屍体の山ばかりで動くものなど一体たりともいやしない。
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