246: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/09/08(金) 22:11:14.27 ID:1z/IxxL8O
「えいやっ!!」
気合いと共に手刀が一閃される。
声だけを聞けば、空手部辺りで稽古に精を出す年頃の少女のように爽やかで可憐なものだ。きっと朝方に街角で耳にしたなら、微笑ましい心地になれることだろう。
『ギィイイイイイイイイッ!!!!?』
尤も、声の主が作り出した光景には微笑ましさなど微塵も存在しない。
青葉の手刀を受けたホ級の腹部がバックリと割れて、体液がぼたぼたと滝のように傷口から流れ出す。悲鳴と共に腹を抑えて前のめりに身体を曲げたホ級に対し、青葉は既に次のアクションに移っていた。
「そいっ!!」
『グカッ』
頭上辺りまで降りてきたホ級の顔面に、上段蹴りが炸裂する。先程の殴打を受け流したときと同じ様な音がして、ホ級の頭部がぐるりと後ろ向きになるまで回転した。
『『ォアァアアアアアアアッ!!!!!』』
「ほっ………と!!」
通常種とはいえ瞬く間に1隻を、それも艤装を使わず素手で撃沈した青葉が脅威と見られるのは当然の帰結だ。ホ級flagshipとト級が後退しながらありったけの武装で弾幕を放つ。
艦種としては格下ながら流石にflagshipのフルバーストとなれば青葉でも勝手が違う。先程倒したホ級の屍体で射線の一部を遮りつつ、後ろへ跳んで躱す。
『ゴォアッ!!!!』
そこに、待っていましたとばかりに巨大な黒い塊が突っ込んでいく。
体長5メートル、体重800kgを誇るイ級が、青葉の身体をはね飛ばそうと勢いよく頭部を振り上げる。
(#ФωФ)「────斎藤!!」
(#・∀ ・)「あらほらさっさ!!」
『グギィイイイイッ!!?』
その寸前、眼球と腹部に二本の剣が突き刺さった。
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