181: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/31(木) 22:14:27.26 ID:PIXFVoZp0
「それで、どうすんの?また僕らが行こうか?」
「あたしと時雨姉貴ならこンな弾幕屁でも無いしな!ご要望があればいつでも突っ込むぜ!」
(,,゚Д゚)「………いや、そっちはまだ保留だ」
確かに江風の言うとおり、さっきと同様に2人を突っ込ませれば状況を打開できる可能性は高い。艤装弾薬を節約したいという問題にしても、ついさっき殲滅された部隊の銃火器を鹵獲して使わせれば対人相手なら十分。
予備弾倉もそれなりにあるので、25mm連装機銃の使用機会は大いに減らせるはずだ。二人の後に続けば、俺達も大した損害を受けずに本舎まで突入できる公算も立てられる。
だが俺は、正面から攻撃を掛けてくる正体不明の敵部隊に対して得体の知れない不気味さを感じていた。
奴等は今、確かに俺達をバリケードに拘束することに成功している。ただその過程で、奴等は数十人規模の友軍部隊を全滅の瞬間まで眉一つ動かさず眺め続けていたことになる。
味方部隊を囮にしての作戦行動なんてものは古今東西常套手段だし、俺達だってごく普通に使う手だ。だが、その囮が“必要性は全くないのに”全滅するまで放置しておくというのは明らかに感覚として度しがたい。
何かが、“普通じゃない”相手だ。その懐にあまり情報を持たないまま飛び込む勇気を、俺は持てなかった。
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