ある門番たちの日常のようです
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145: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/24(木) 08:45:00.04 ID:SjGHwvao0
……まぁ、基本的に子供の頃の夢なんてのは「綺麗なところ」にしか眼がいなかないまま抱かれる。私がその夢を抱いた時も、憧れたのはあくまでもヒーローが活躍して鮮やかに敵を倒す姿にであって「その裏側」にあるものをかんがえようともしなかった。

当時は丁度もしもヒーローが普通の営業マンのように活動していたらというコンセプトで描かれた、所謂「現実的なヒーロー」にスポットを当てたアニメが(主に大きなお友達に)ウケていた。けれど私はそのアニメを「自分の夢を穢す存在」として毛嫌いし、近くでその事に関する話が出たときは露骨に耳を塞いだりしたものだ。

大人になった今では、あのアニメがそれなりに正しかったと解る。現にこの世界に現れた“艦娘”というヒーローや彼女達と共に戦う組織・部隊を取り巻く環境は、決して子供の頃夢見たようなものではなかったから。

勿論、私も今では世界が理想論や綺麗事では動かせないと知っている。今の自分を取り巻く環境についても、それらを知ってなお踏み込んだ世界なので後悔はちっともしていないし誇りにも思っている。

ただ、それでも子供の頃の、純粋無垢に「ヒーロー」を夢見ていた自分にはもしもタイムスリップが出来るならあらかじめ伝えておきたい。

実際の「正義」は、思ったほど世の中では必要とされていなくて────






「───敵艦隊第三波、ムルマンスクに接近!間もなく射程圏内です!!」

「ヌ級より艦載機更に発艦!パラオ鎮守府艦隊からも、外洋より敵の航空隊が防衛ラインを突破し接近中と報告あり!」

(#ФωФ)「対空警戒を厳と為せ!総員、前進するのである!!」

「「「Yes sir!!」」」

(*゚ー゚)「了解!!」

────実際の「ヒーロー」は、思っているよりも遙かに命懸けだって。


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