144: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2017/08/24(木) 08:32:41.79 ID:SjGHwvao0
子供の頃、ヒーローに憧れた。光の巨人が巨大怪獣を薙ぎ倒し正義の五人組が悪の組織を粉砕する姿をテレビで見ては歓声を上げ、世間に正体をひた隠しつつ世界の平和を守る彼らの高潔な姿に平らな胸を震わせた。
別に「悪役を一撃でぶっ飛ばす」ほどの力は無くてもいいから、彼らのように大切なものを守れる存在になりたい。彼らのように悪を挫き正義を貫ける人間でありたい。当時心の底から私はそう思っていたし、記憶する限り小学校高学年辺りまでは本気で彼らのように成れると信じてもいた。
10何年かが経って、私もまたこの戦争のせいで色んなものを失った。代わりに、今の私はかつて憧れた「正義のヒーロー」になっている。
普段は仲間にも正体を隠し、人類を滅ぼそうとする得体の知れない怪物を打ち倒す────かつて「夢」であり「憧れ」だった生き様は今、私の「現実」であり「日常」だ。
正確に言うと科学戦隊や光の巨人を援護する特殊部隊の立ち位置だけれど、サッカー選手を夢見てコンビニでレジ打ちをしている人が大半であることを考えるとこれ以上を望むのはいささか贅沢が過ぎるだろう。
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