キョン「最近、生え際が気になる」
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54: ◆y7//w4A.QY[saga]
2017/08/12(土) 14:39:26.71 ID:vbezHhuW0
【キョン宅 階段】

キョン妹「わわっ!」ガチャガチャ

キョン「おっと」ピリリリリッ

キョン妹「もう! 危ないよ! キョンくん!」

キョン「すまん、佐々木が部屋にいるから運んでおいてくれ」ピッ

キョン妹「はぁーい」

キョン「もしもし」

古泉「取り急ぎ耳に入れておきたいことが」

キョン「暇じゃないんだが」

古泉「緊急事態です。朝比奈さんが忽然として姿を消しました」

キョン「……そうか」

古泉「あなたは今どちらにいらっしゃいます?」

キョン「家にいるよ。それで? その朝比奈さんといういのはどこのどちらの朝比奈さんで?」

古泉「はい? どちらもなにも、僕らがよく知っている朝比奈さんその人――待ってください。忘れてしまったんですか?」

キョン「古泉、今は友達が家にいるんだ。訳のわからない与太話はまた今度」

古泉「――逃げてください。一刻もはやく」

キョン「はぁ、なぜ俺が逃げなきゃならん」

古泉「どうやら、我々は既に蜘蛛の糸で絡め取られてしまっていたようです。彼女は既に部屋にいると仰いましたね」

キョン「彼女? 長門も佐々木を知っている口ぶりをしていたが、どうして古泉まで相手が女だとわかる?」

古泉「今朝のタクシーから降りると機関を使い色々と調べてまわったんです。そしてある仮説に辿り着きました」

キョン「機関?」

古泉「今は時間が惜しいので最後まで話を聞いてください。結論から先に申し上げますと、この世界は改変されています」

キョン「……」

古泉「それも些細なものなんです。誰かが“違和感”や“デジャヴュ”を覚える日常的なもの。――あなたと朝倉涼子を除いては」

キョン「朝倉?」

古泉「あなたは、今朝のタクシーでこう仰いましたね。催眠術を行うとすれば他の誰かの都合も合わせなければいけない、そうしなければボロがでる、と」

キョン「ああ、まぁ、たしかに。似たようなことを言ったかもしれんが」

古泉「あなたが記憶を無くしているのは、あなただけの問題なんです。朝比奈さん、長門さん、僕は記憶を無くしていません。“あなたが忘れている”というのを知っているんです」

キョン「訳がわからん」

古泉「しかし、朝倉涼子は話が別です。彼女は、転校という形で学校からいなくなっています。にもかかわらず、あの学校にいる。――これは、あまりに不自然であり、自然になど受け入れられません。多くの人間の記憶を操作しなければならない。あなたが仰るように」

キョン「はぁ、よもやそこからとんでも論でハルヒに結びつけるんじゃあるまいな」

古泉「長門さんに助けを求めるしかありません」

キョン「あいつなら、俺が自力で辿り着くしかないと言っていたぞ」

古泉「とにかく、今すぐにその家から離れてください。部室で集合しましょう」

キョン「なぜ身の危険もわからないままに言う通りにしないといかんのだ。だいたいだな、理由を説明されてるようだがちっとも頭にはいってこん」

古泉「佐々木さんに何か不自然な点はありませんか?」

キョン「あるわけないだろう」

古泉「それも強い暗示に似た状況になっているからではないですか? 本当に、なにもおかしな点はないと言い切れますか?」

キョン「ない。きっぱりはっきり断言できる。あいつとは中学時代からの付き合いなんだ。おかしな点があるとすればすぐに気がつく」

古泉「……なんでもいいんです。佐々木さんと会ってから起こった些細な変化を教えてくれませんか」

キョン「なんでそんなことをお前に――」


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