千歌「──あの日の誕生日。」
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24: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/07/31(月) 23:59:30.05 ID:qA4i4zbEo


    *    *    *





千歌「……果南ちゃん」

果南「ち、千歌……あの、私……」


私はうろたえる果南ちゃんに近付いて──抱きついた。


果南「千歌……?」

千歌「……ごめんね」

果南「え……?」

千歌「あの日……だいっきらいなんて言って本当にごめんね……」

果南「千歌……」

千歌「私、果南ちゃんに甘えてばっかりで……果南ちゃんが居てくれるのが当たり前で……子供で……。酷いこと言っちゃったのに、ずっと謝りもしないで」

果南「約束破ったのは私だよ……」

千歌「その約束だって、果南ちゃんが私を大切に思ってくれてたから、そう言ってくれたんだってこともわかってたのに……。最後までこれないなんて言って投げ出さずにちゃんと来てくれたのに」

果南「……」

千歌「だから、ごめんね……果南ちゃん」

果南「千歌……」


まとまりのない言葉を果南ちゃんに向かって吐き続ける。

お互い、なんとなく触れないようにしていた、あの日の一方的なケンカに決着を着けるために。


千歌「本当は嫌いになったことなんて一度もない……。果南ちゃんのことずっとずーっと大好きだから……。」

果南「……千歌」


果南ちゃんが私を抱き返してくる。


果南「知ってる……全部知ってるよ……。千歌のことは産まれたとき知ってるんだから。」

千歌「うん……」

果南「だから、あの日千歌が本当に悲しかったのも、寂しかったのも……知ってるから……」

千歌「うん……」

果南「勢いで大嫌いって言っちゃって、バカって言っちゃって、後悔してるんだろうなってことも知ってたから……」

千歌「うん……」

果南「知ってたのに、ちゃんとそのこと言ってあげられなくてごめん……」

千歌「果南ちゃんも不器用だから……お互いどう伝えればいいかわからなかったんだよね」

果南「……そうだね。……最初からちゃんとそうだって言ってあげればよかったんだ。そうすれば……」


──そうすれば──


果南「あの後もちゃんと千歌のこと素直にお祝いできたかもしれないのに……。」

千歌「……」



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