千歌「──あの日の誕生日。」
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18: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/07/31(月) 23:51:22.07 ID:qA4i4zbEo


    *    *    *





その一件のあと千歌としばらく距離を置いて──とは言っても1ヶ月もなかったけど。

それでも、子供の時分には永遠に感じるほど長い時間だった。

幸か不幸か夏休みの真っ只中だったから、無理をしなくても自然と距離は作れたって言うのは皮肉な話だ。

新学期になって、学校で顔を合わせたとき、千歌は──


千歌『果南ちゃん、おはよっ。ねねね、今日は久しぶりに遊びにいっていい?』


──そう言ってくれた。

千歌の変わらない態度に心底安心したのを覚えている。

それから、お互い誕生日の話題は自然と口に出さなくなった。

暗黙の了解として、お互い触れないように


果南「10年……か……」


一人弁天島の階段の前で空を仰いで呟いた。


鞠莉「何が10年なの?」

果南「あ、鞠莉……」


どうやらこの呟きはたった今到着した遅刻姫に聞かれていたようだ


果南「なんでもないよ。それより遅刻だよ?」

鞠莉「10年前……って言うとわたしが日本に来るちょっと前かな?」


聞いてないし


鞠莉「ふふーん……じゃあ千歌っちのことかしら」


しかも鋭いし


鞠莉「何か悩み事?」

果南「んー、あー……。千歌の誕生日会、ちょっと用事でいけないかもってだけ」

鞠莉「ああ……毎年この時期は忙しそうだったもんね」


鞠莉は私の言葉ですぐ理解したようで


鞠莉「人手足りないならわたしも手伝おうか?」


そう提案してきた。




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