千歌「──あの日の誕生日。」
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12: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2017/07/31(月) 23:43:51.73 ID:qA4i4zbEo

千歌「なに?」

果南「……ご、ごめん。やっぱりなんでもない……」

千歌「……先行くね」


果南ちゃんが何度も、ごめん。ごめん。と言ってくる。

さっき梨子ちゃんに話した嫌な記憶が掘り返されている感じがして、なんだか早くここから離れたい気分になって、私は踵を返して階段に向かって走り出した。


果南「──千歌!!」


そのとき、私の背中に向かって果南ちゃんが声を張り上げた


果南「その……ごめん……。8月1日……誕生日……。家の手伝いで……行けない……かも……」


果南ちゃんは途切れ途切れにそう言った。


千歌「そっか。わかった。」


私は一度振り返ってから、笑顔を作って果南ちゃんにそう答えた。

そして、階段を登り始めた。


「……ごめん」


背中越しだったし、距離も離れていたから、気のせいだったかもしれないけど、小さな声で果南ちゃんがまた謝る声が聞こえた気がした。





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