55:名無しNIPPER[saga]
2017/07/27(木) 22:49:33.37 ID:aDbJZUbB0
「ふざけないでよ! さっきから人の心を無視したことばっかり言って! 初対面の人? そんな風に思える誰かが居て幸せ? その大切な人に覚えられない悔しさがあなたに分かるの?! この1年と、今日だって、あなたと御坂さんがどんどん仲良くなっていくの見て、私がどんな気持ちだったと思う? あなたの大切な人の中に、私がいないのがどれだけ辛いのか分からないでしょぉッ!」
止まらない涙と、迸る思いの礫を叩きつけられるがままの上条は、口を開き、何も発せないままただ為すがままに彼女の激昂の的になる。
「私だって! 私だってあなたの幸せを願いたいわよぉッ! おめでとうって、言いたいのよ。それなのに、あなたはそれすら私にさせてくれない。私が何を言ってもあなたの中には残らない! もう少ししたら、さっきのキスどころか私の顔すら思い出せなくなるのよぉ! 何でよ! 何であなたの中に私はいないのよぉ! こんなに好きなのに、こんなに想ってるのに、何で……」
食蜂は水滴を散らし、立ち上がり、走り去った。上条は微動だにせずその場で固まり、美琴は物陰の自分に目もくれず走り去る彼女の背中を眺める。
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