6:名無しNIPPER[saga]
2017/07/21(金) 18:52:00.09 ID:+NyjqKO10
真姫「働いているわ」
絵里「病院で、でしょう」
真姫「ただの調理場のバイトよ。大学の学費のためでしょ」
絵里「違うわ。あの娘のためよ。貴女が医学部に進んだのだって」
真姫「……家のためよ」
絵里「嘘」
真姫「嘘じゃないわ」
髪の代わりに、真姫はマドラーを指で弄っている。
目は合わなかった。
絵里「にこだって諦めてなんかない」
真姫「もうあの日から3年も経つのよ。にこちゃんにも、諦めてって言ってるわ」
絵里「本人は何て?」
真姫「うるさい、ですって」
絵里「ああ……」
にこらしいと思った。
同時に、ロシアに行った自分のことをどう思っているだろうかと、少し怖くなった。
真姫「にこちゃんたちには会ってないの?」
絵里「まだよ。この後会う予定だけど……真姫も一緒に来る?」
真姫「……医学部はもう休みじゃないんだけど。まあ、今日はついて行ってもいいわ。にこちゃんに釘を刺さないといけないし」
また髪の毛を触りながら、真姫はそう言った。
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