ことり「前略 木漏れ日の貴女へ」
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7:名無しNIPPER[saga]
2017/07/21(金) 18:53:12.61 ID:+NyjqKO10


      *



にこ「この阿呆馬鹿エセロシア!!」

開口一番、にこに罵倒された。

私たちは別の喫茶店のテラス席に移動していた。

周りの客が何事だろうかと振り返る。


にこ「さっさと高飛びしておいて、今度はあの娘にあの日のことを伝えたいですって!? 冗談じゃないわ!」

絵里「……」

希「まあまあにこっち。えりちだって、何も逃げたってわけじゃないんよ」

にこ「あんたは絵里に甘すぎる! こいつは飛びついたのよ! 日本から抜け出して、私たちからも、あの日からも抜け出す選択肢に……! なのに今更そんなことっ!」

絵里「……ごめんなさい」

希「えりちは悪くない。悪くなんかないんよ。ウチだってにこっちだって、いつまでもこのままじゃいられない」

にこ「……」

希の言葉を聞いて、にこはぶすっと黙りこくった。

見かねて真姫が口を挟む。


真姫「エリーがやろうとしていることは、あの娘に真実を伝えるだけじゃない。私たちだって、知らなくてもいいことを知るかもしれないわ」

真姫「私たちが3年間も見ないようにしていた、薄暗い真実を見つけてしまうかもしれない。それは――」


真姫「それは、とても愚かなことよ」

絵里「……」

真姫「それでも?」

絵里「……ええ。手紙を読んで思ったの。私たちは忘れてはいけないのよ。あの日のことを、真実を知るまで」


絵里「だって、知りたいって、そう言ってたのよ」



「「「……」」」




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