21:名無しNIPPER[saga]
2017/07/21(金) 20:48:31.41 ID:9t2ZJ9VMo
「殺すべきですよ」
「でも、彼にだって未来がある。それに悲しむ人だって……」
「中村大地に未来なんてないですよ。
人を殺したという事実が記録から消えることなんてないですし、そういう人間を雇いたいなんて人はいないでしょう。
つまりいずれ苦しむ羽目になるんです。
だから、そうなる前に殺してあげる。つまりあなたは彼を救ったことになるんです。
だから殺しましょう?」
何て言っている間に、処刑場まであと少しというところまで着いた。
どうやら、今日も大勢集まっているようで、こちらを見つけて歩み寄ってくる。
「お願いです! 息子を殺さないでください……」
1人の女が中田靖さんの居るところに縋りつくように、窓に張り付いた。
この女、どこかで見覚えがあると思ったら中村大地の母親だ。
資料で見た時よりもずいぶんとやつれているし、痩せていたのですぐに分からなかった。
まあ、それもそのはずだろう。
正義気取りの人たちに嫌がらせを受けたり、職場では陰口を叩かれたりしているだろう。
しかも、息子が殺されようとしているのだから、こんな風になってしまうのは当然だ。
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