白菊ほたる「プロデューサーさんは呪われました」
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20: ◆eU2UNg43MI[saga]
2017/07/15(土) 17:42:41.76 ID:eRMrD4p40
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「明日も朝早いからな。しっかり睡眠とっておけよ」
「わかりました。おやすみなさい、プロデューサーさん」
ほたるはペコリとお辞儀すると、寮に入っていった。
マスコミに囲まれるようになって以降、ほたるをひとりにするのは危険と考えて、こうして車で送迎をするようになった。一時期より数は減ってきているものの、やつらはまるで忍者のように物陰からにゅっとあらわれることもあるため油断できない。
さすがに寮にまで押しかける不届き者がいなかったのは、せめてもの救いだ。
「帰りますか」
まだ会社でやらなければならない仕事が残っている。事務所に戻るべく車のエンジンを入れようとしたそのとき、
コンコン。
窓ガラスを叩く軽い音が聞こえた。窓ガラスの向こうではスーツを着た男性が、すみませんと口を動かしてこちらを見ている。
まったく知らない顔だ。こんなところで俺に話しかけようとするやつなど、心当たりはマスコミぐらいしか思いつかないが。
「……どちらさまでしょうか?」
このまま無視するか一瞬悩んだが、万が一のことを考え応じることにした。
「お忙しいところすみません。ほたる……白菊ほたるさんのプロデューサーの方ですよね」
そしてどうやら、
「はじめまして。私、以前の事務所でほたるさんをプロデュースしていた者です」
これはその万が一というやつだったようだ。
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