白菊ほたる「プロデューサーさんは呪われました」
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17: ◆eU2UNg43MI[saga]
2017/07/15(土) 17:27:59.66 ID:eRMrD4p40
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――週刊誌に書かれていることは本当ですか!
――事務所が倒産していますが、白菊さんはなにか関係あるのでしょうか!
――なにかコメントをお願いします!
社長の予想は当たっていた。
この数日、ほたると仕事に行くたびに、群がってくるマスコミをかわしていく日々が続いている。
「大丈夫か?」
「…………大丈夫です」
嘘だ。気丈に笑いながらも顔が青ざめている。
なんでなんにも悪くないほたるが、こんな顔をしなくちゃいけないんだ。
なんでこんなに頑張っている子が、こんな目に遭わなくちゃいけないんだ。
あまりの理不尽にどうしようもないほど怒りを覚える。
「ほんとうに大丈夫ですよ、プロデューサーさん」
俺の心中を知っているかのようなことを言い、軽く手を握ってくる。
「これも私が有名になってきたから、ですよね。プロデューサーさんが言っていた、ポジティブ思考です」
ほたるはもう一方の手でサムズアップをする。
「……そうだな。それにこういう週刊誌のネタなんてすぐに消えるからな。すぐに元通りに戻るさ」
繋いだ小さく震えている手を強く握り返してやること、それが俺にできる唯一のことだった。
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