杉坂海「オンショアをつかまえて」
1- 20
71: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:35:39.50 ID:apvgBKJC0
あいかわらず、お兄さんはそういうコトを言う。
でもなんとなく、今は恥ずかしがってるウチを気遣ってワザと言っているんだろうことがわかった。
うん、やっぱり、お兄さんって、けっこう気が利く人かもしれない。
……なんか悔しいから、絶対に口にはしないけど。

以下略 AAS



72: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:36:14.80 ID:apvgBKJC0
それは、ちょっと予想外の質問だった。今まで考えた事もなかった、という意味で。
でも、ある意味当然の質問だったのかもしれない。
確かに同年代の子でも、アイドルとか、女優とか、そういう人に憧れている子は多かった。
でもウチは、それよりもああいう衣装をどうやったら作れるかとか、そんなことばかり気にしていたと思う。
だから、その質問に答えるとしたら。
以下略 AAS



73: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:36:41.65 ID:apvgBKJC0
無言で頷いて、先を促すお兄さん。

「でも、こういう綺麗な、人を輝かせられる衣装を作りたいって思いの方が強かったかな」

「そっか」
以下略 AAS



74: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:37:09.73 ID:apvgBKJC0
と、その時だった。
昼ごはんを買いに行くついでにとってきていたのだろう、お兄さんのスマホが震えていた。

「と、ゴメン海ちゃん、ちょっと電話」

以下略 AAS



75: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:37:36.64 ID:apvgBKJC0

「ゴメン海ちゃん、仕事でトラブルみたい。急遽でなきゃいけなくなった」

「ん、そっか。もともと待ち合わせとかじゃなくて偶々会っただけだしさ、気にしないでよ」

以下略 AAS



76: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:38:02.26 ID:apvgBKJC0
「それじゃ、俺はこれで。またね!」

「うん。お兄さんも、仕事頑張って」

「ありがと。あ、それと海ちゃん」
以下略 AAS



77: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:38:30.41 ID:apvgBKJC0
「俺はさ。『勿体ない』なんて、そんなことないと思う。海ちゃんはきっと、自らが輝ける人だよ」

「え」

ウチが何か言葉を返す前に、お兄さんはじゃあね、と手を振りながら歩き去ってしまう。
以下略 AAS



78: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:39:04.96 ID:apvgBKJC0
――結局、その後。
それまで多少波がありつつも穏やかだった海は、急に波が強くなってきてしまった。
回りのウィンドサーファーに倣って、ウチも撤退の準備に入る。
けれど器具の片づけをして、着替えをして、帰り道の途中でさえも。
お兄さんの言葉が、何故か耳から離れなかった。


79: ◆OVwHF4NJCE[saga]
2017/07/20(木) 23:40:05.34 ID:apvgBKJC0
今日はここまで。
また書けたら、続きを投稿していこうと思います。
本当は海さんの誕生日に完結したかったけど、うん、無理でした。
これからもお付き合い頂けたら嬉しいです。

以下略 AAS



80:名無しNIPPER[sage]
2017/07/21(金) 01:33:31.78 ID:FEyhZlTN0



117Res/64.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice